寺子屋心理カウンセリングルーム
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機能不全家族で育ったアダルトチルドレンの抱える苦しみは様々ですが、その核となるのは『自己の喪失』です。つまり、自分が何をしたいのか、自分にとって何が大切でなにが大切でないのかが分からないということです。また、自分を主張できず相手に合わせてばかりいて相手との境界が分からなくなったり、自分が大切な存在だと思えなくなってしまうということです。

アダルトチルドレンは、自分の問題を必ずしも把握しているとは限りません。アダルトチルドレンの中には、周囲の期待に応え、挫折することなく過ごしてきた人もいます。

しかし、そんな人でも問題が顕在化する場面があります。それは、その人の人生の中で繰り返し起こる人間関係でのつまずきです。

例えば、恋愛関係においていつも同じパターンで破局するなどです。

具体的には、見捨てられる不安から相手にしがみついて結局は関係を壊してしまったり、暴力や暴言などの理不尽な仕打ちを受け入れ続けて最後には自分が疲れ果ててしまったり、Noといえずに相手につけこまれてお金を渡し続けてしまったりというようなある特定のパターンを繰り返してしまうわけです。

ここで、親子関係が一見良くても問題となってしまうケースをひとつご紹介します。

以前、「結婚したいのに結婚できない」という悩みを抱えた三十代の女性が相談にいらっしゃいました。彼氏はできるのだが、いざ結婚となるとなぜだか破局してしまうのだそうです。彼女はスタイルがよく、美人で、ファッションセンスもよい、まるで宝塚出身の女優さんではないかと思うような女性でした。彼女自身、結婚はしたいのだそうです。しかし、結婚できないのです。彼氏の方が臆しているわけでもなさそうでしたし、彼女のプライドが高いわけでも理想が高いわけでもありませんでした。

カウンセリングが進み、いろいろな話をお聴きする中で、話題がお父さんとのことに移りました。彼女は父親との関係はとても良いようでした。父親も娘が早く結婚して幸せになることを望んでいましたし、彼女も早く結婚して父親を安心させてあげたいと思っていました。しかし、話が彼女の中学生時代に移ったとき、彼女はあることを思い出したのです。それは父親が一人娘の彼女に対してなにげなく言った「おまえが男だったらな〜」という一言です。

彼女がそのことを思い出してから、話は急展開しました。その一言があった頃からスカートを穿かなくなったこと、髪の毛を短くしたことなどを次々と思い出して語ってくれました。

彼女は結婚したいと考えていました。しかし、結婚して女性としての幸せをつかむということは、父親の望みである「男の子」になることをあきらめるということでもあります。つまり、大好きな父親から愛されるための条件であった「男の子」を自ら捨て去るということになるのです。

そして、彼女が二十代後半になった頃、父親は「早く結婚して女性としての幸せをつかんでもらいたい」と彼女に望みました。彼女はこの期待にも応えようとしました。しかし、意識に深く入り込んでいた子供の頃の記憶がそれを邪魔したのです。きっと、理屈ではなく感覚的に「結婚して女性としての幸せをつかんでしまったら、もう父親に愛してもらえなくなる」という気持ちがあり、結婚が具体的になると無意識のうちに相手との関係を壊していたのでしょう。

私がこのことを彼女に伝えると、彼女も「そうかもしれない」といいました。私も、彼女が宝塚出身の女優さんのようにボーイッシュな感じだったのもこういう理由からだったのだと理解できました。そして、どことなく物悲しそうな表情をしていたのも同時に理解しました。

このように、明らかな機能不全家族でなくとも、家族の影響というのが子供の人生に現れる場合があるのです。

ですから、目に見える機能不全家族のもとで育った場合はもっと深刻です。

アダルトチルドレンは、親密な関係をつくったり、維持することが困難です。そして、親と同じような問題を抱えた相手をパートナーに選ぶ場合も多いのです。

(事例は、プライバシー保護のため修正を加えております)

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