雲上の君 ある朝この地に降りて
真綿の翼にくるまれ 日々を過ごす


雲のように たゆたゆと
時は流れて 君の頬は桃色

身に纏う衣(きぬ)は 経血を挿し
君の眼に映る きらきらとした恋心


疾風(かぜ)のように ごうごうと
時は流れて 銀糸を紡ぎ

それはまもなく 白髪となりて
君を老わす 頬も 手足も


人の世に生き 疾風に逆らわず
為すがままに 成長し
為すがままに 老い そして
土となるその日まで
先祖の土を踏み 銀糸を紡ぎ続ける

誰に捧げるでもない 銀糸を
ひかり輝く 銀糸を








2005.2.20
背景素材:「FLASK」