まるで 連なる車の ヘッドライトの 乾いた光のように それは まるで 列を成す ミシンの針の 正確な糸のように それは 現実味を持たず ただ まっすぐと まっすぐと つづいている 脇で困惑している 私を 置き去りにして まっすぐと ひとすじの光を 遮ることすら出来ず 額の上で 手をかざすことすら出来ず 呆然と その光景を見送るとも 意志を示さぬまま まるで 加速する汽車の 窓の外でうごめく 生きた線路のように それは まるで 同じ弧を描いて流れる 潮(うしお)の流れの 際(きわ)の白さのように それは 現実味を持たず ただ つづいている 絶え間なく つづいている 脇で困惑している 私を 置き去りにして 絶え間なく 絶え間ない涙を とがめることは出来ず 「痛いから」と泣く 君をとがめることは出来ず 呆然と その流れを受け入れるとも 意志を示さぬまま |