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人は本当に訴えたいことはなかなか口にできないものです。そして時には心と正反対の言葉を発して相手との関係をこじらせてしまうこともあります。
カウンセリングにおいては、カウンセラーがゆっくりとどんなことでも話を聴いてくれるので安心して話ができる空間です。しかし、そんな空間にいてもなかなか感情の言葉は口にできなかったりします。
私は、カウンセリング技法の講師をするとき、一般的な会話とカウンセリングとの違いについて一言で表現する際に「相手の言っていることではなくて、言わんとしていることを聴くのがカウンセリングです」と説明することがあります。
例えば、付き合っている恋人同士や夫婦の会話で、彼女が彼に対して「私と仕事とどっちが大事なの!」と言うことがあります。
そんなとき彼は、「私と仕事と」というように二者択一で迫られているのでどちらかを選びます。でも、「君だよ」と答えれば「それじゃあなんで、私を放っておいて仕事してるの」となり、「仕事だよ」と答えれば「あなたとはもう別れる」となるかもしれません。
どちらをとってもよい結果にならないのです。なぜこんなことになるのかといえば、彼が彼女の言っていることに反応していて、言わんとしていることを受け止めていないからです。
彼女は淋しいのです。彼女だって無理なことを言っているのはわかっているけど、淋しいから言わずにいられないのです。ですから、彼が彼女の「淋しい」という気持ちを受け止めてくれないと不全感が残るのです。
なので、例えば「君に淋しい思いをさせてゴメン」と言って彼女の気持ちを汲んであげるとよい方向に進みます。
これを「そんなこと言ったって仕事なんだからしょうがないだろ」「そんな無茶なこというなよ」「勘弁してくれよ」といってしまうと最悪です。
もちろん彼が「淋しい思いをさせてゴメン」と言って、彼女が「分かってくれてありがとう」となったとしても、そのあと彼女から「で、私と仕事とどっちが大事なの?」と尋ねられることもあると思います。そんなときは・・・うまく対処してください(^_^;
さて、カウンセリングに話を戻しますが、カウンセリングにおいてもこうした相手の言っていることだけでなく、言わんとしていることや気持ちを受け止めることが大切だと思います。
例えば
ご相談者「・・・だから私、彼に言ってやったんです。私と仕事とどっちが大事なの?って。そしたら彼ったら、そんなの選べるわけないだろ!。そんな無茶なことを言うなよ。そんなこと言うんならもうお前とは別れるって彼が言うから、私もいっぱいいっぱいになっちゃって、思わず彼に対して・・・」
というご相談者の話に対して
「そっか。○○さんとしては、ただ淋しいっていう気持ちを彼にわかってもらいたかっただけなのにね」
とうのもありだと思うわけです。
カウンセリングにおける一般的な応答としては
「○○さんが彼に対して、私と仕事とどっちが大事なのって言ったら、彼はそんな無茶なこと言うなよって言ってきたから思わず・・・してしまったわけね」
とか
「なるほど。いっぱいいっぱいになっちゃって、彼に・・・したんですね」
という応答になるかと思いますが、「淋しかった」という気持ちをカウンセラーが代弁することでカウンセリングが深まることもあるわけです。
カウンセラー養成講座などでは、基本的な応答は教えてくれますが、こうした応答はなかなか教えてくれません。
でも、相手の話を聴いて、気持ちを感じ取れれば自然と出てくるものだと思います。
私自身、カウンセラーに成りたてのころは型にはまっていたように思いますが、大切なのは技法ではなく相手の気持ちを理解することだと思い、型にこだわらなくなりました。
人は本当に言いたいことはなかなか口に出していえないものですが、それでも解ってもらいたいという気持ちは強く持っています。
寺子屋心理カウンセリングルームでは、そうした心の叫びをできるだけ代弁できるカウンセリングをしたいと思っています。
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寺子屋心理カウンセリングルーム
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